私たちは日常、あたりまえのように文章を目にし、これまた、あたりまえのように文章を書いています。
あたりまえなのに、文章を書くことに苦手意識をもってしまったり、敷居が高いと思ってしまうのはなぜなのでしょうか。
もしかしたら、「いい文章」の定義が、あまりにあいまいだからかもしれません。
ビジネスマンに求められるのは、小説家のようなうまい文章ではありません。
そうではなく、読み手に伝わり、読み手が行動してくれる文章です。
・読み手は誰?
・読み手にどんな行動をとってほしい?
この2点を考えて文章を書くだけで、あなたの文章は驚くほど「伝わる」ようになるはずです。
もうひとつ、伝わりやすい文章を書くコツをお教えしましょう。
それは、
・簡潔に書く
です。といっても、「どうしても長くなってしまうんです」と言われるかもしれません。
そんなときは、伝えたいことを「箇条書き」にしてみてください。
頭の中もスッキリ整理されますし、読む人にもわかりやすく親切です。
「あたりまえだけどなかなかできない文章のルール」では、このような文章のコツを100のルールにまとめました。
準備する→書く→見直すという流れにしたがって挙げたルールと、日頃から気をつけたいルールをとり上げています。
レシピ通りに作れば料理ができるように、100のルール通りに書けば伝わりやすい文章にできるはずです。
実は、文章で伝わるのは、伝えたいことのほんの数パーセントといわれます。
伝わらなくて当たり前なのです。
「どう書いたら伝わるだろう?」と試行錯誤しつつ、どんどん書いて、失敗も成功もどんどん経験しようではありませんか。
経験から得た「伝わる文章を書く力」は、あなたの一生の財産になります。
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編集の金本さんからオファーをいただいたのは、去年の8月でした。
その年の5月まで出版社で編集をしていた私は、自分が著者になるなどとは思いもせず、実務と独学で学んだ文章のコツを、ただひたすらブログに書きためていたのです。
明日香出版社さんと私を繋いだのはブログであり、そのブログに載せられた文章でした。
文章は人と人とを繋ぎ、思いもしなかった世界を見せてくれるものです。
文章コーチ 高橋恵治